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田中彰展
「HOVERING WIND 透明な翅」

2020年8/1(土)ー16(日) 13:00-19:00 月・火曜日休み

「7月の梅雨時に涸沼自然公園を歩いていた。冬の肌寒い時期に一匹のイシノミがいた場所は、いつも以上に湿っていて、生き物の気配で満ちている。樹皮を裏返すまでもなく、木のいたるところにくっついている。目の前に現れた無数のイシノミは、私の気配に気づくとじっとして、木の表面と同化する。そっと触ると大きく飛び跳ねた。現在、多くの虫には翅があり、空中をふわふわとまたはブンブンと移動する。しかし4億年以上かたちがほとんど変わっていないこの虫には翅がない。どこへ着地するのかわからない大きなジャンプを繰り返す。それは翅がなくても、空を飛べなくても、大丈夫だよと勇気をくれる。薄い和紙に版画を摺る、それはどこか翅に似ていて、版木から紙に絵が転写されると生き生きとして、いろんな場所へ飛んでいく。このどこかへ旅立つ始まりを風の裾と名付ける。そこを見つけることができれば、透明な翅となってどこへでも飛んでいける。見つからない時はイシノミになった気持ちで大きく跳ねてみるのもいいかもしれない。」(田中彰)

田中彰が 2019年秋から2020年春にかけて制作した版画101点を収録した作品集『JUMPING BRISTLETAIL』。古生代デボン紀から現在まで形の変わっていない生物ー’イシノミ’ を探す過程で出会った生き物や風景が絵描かれています。 今回の展覧会は作品集「JUMPING BISTLETAIL イシノミノコト」に掲載されている101点の版画をすべて展示、また今回の展示期間中に国立(くにたち)の自然の風景とそこから生まれたフレッシュな作品を毎日、1点増やしてゆきます。
この本は、森のはじまりの時を探すハンドブックや図鑑にもなっています。移動を躊躇してしまう今、どこか遠くへ行くのではなく、散歩や買い物など身近な場所での小さな旅を、作品と本と共に楽しむきっかけになればと思います。

◉展示内容は、くにたちのギャラリーと こちらのオンラインサイトhttps://watermarkart.base.shop(8/1よりスタートです)で同時に見せてゆきます。動画配信なども予定しておりますので、snsも合わせてチェックしてください。
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田中彰 [主な展示・活動歴]
2019「インプリントまちだ展2019—田中彰 町田芹ヶ谷えごのき縁起」、町田市立国際版画美術館、東京
2019「Travelers」、MAHO KUBOTA GALLERY、東京
2017「アーティスト・イン・ミュージアム AiM2017 田中彰」、岐阜県美術館、岐阜
2017「project N 67」、東京オペラシティ アートギャラリー、東京
2016「樹について」、三菱一号館美術館、東京